4号特例縮小で賃貸リフォームはどう変わる?確認申請の要否を解説
- 公開日:2026/3/9
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2025年4月施行の建築基準法改正で、「4号特例縮小」が賃貸リフォームにも影響するようになりました。とはいえ、すべての工事が急に厳しくなるわけではなく、影響が大きいのは主に木造系の小規模建築物で主要構造部の過半に触れる大規模な改修です。
- 4号特例縮小の概要と、賃貸オーナーが押さえるべきポイント
- 確認申請が必要になる工事と、通常の内装リフォームとの境界
- 工期・費用・業者選びで事前に確認したい注意点
こんな方におすすめの記事です
- 木造アパートの間取り変更やスケルトンリフォームを検討している方
- 壁紙交換や設備更新まで影響するのか不安な賃貸オーナー
- 確認申請の要否や、見積もり時の注意点を先に整理したい方
本記事では、4号特例縮小と賃貸リフォームへの影響について、確認申請が必要になるケース、通常の内装リフォームへの影響、工期や費用、業者選びの注意点までわかりやすく解説します。
注:法令の最終判断は、建物の用途・構造・規模・所在地の運用によって異なる場合があります。個別案件では、所管行政庁や建築士に確認してください。
⚠️ 先に結論
壁紙の張り替えや設備交換のような通常の内装リフォームは、今回の改正の中心ではありません。一方で、木造系の小規模建築物で壁・床・柱・屋根・階段といった主要構造部の一種以上について過半を改修する場合は、確認申請が必要になる可能性が高くなります。
4号特例縮小とは何かを賃貸オーナー向けに整理
4号特例縮小とは、小規模木造建築物で省略されていた確認審査の範囲が見直される改正です。
まず押さえたいのは、「4号特例縮小」はリフォーム全般を一律に厳しくする制度ではないという点です。もともと4号特例は、小規模木造建築物の建築確認で一部の審査を省略できる仕組みとして使われてきました。2025年4月の改正ではこの範囲が見直され、小規模木造でも、これまでより確認申請や提出図書の扱いが重くなるケースが出ています。
制度の全体像は、国土交通省の「建築確認・検査の対象となる建築物の規模等の見直し」に整理されています。都市計画区域等の内外で扱いは異なりますが、都市計画区域・準都市計画区域・準景観地区等内では、平屋かつ延べ面積200㎡以下を除き、構造によらず構造規定等の審査が必要になる整理です。
新2号建築物
確認申請時に構造・省エネ関係の図書提出が必要になる区分です。木造の2階建てや、平屋でも規模条件を超える建物がここに入りやすくなります。
新3号建築物
平屋かつ延べ面積200㎡以下など、比較的軽い区分です。どちらに当たるかは、用途や所在地の条件も含めて確認が必要です。
賃貸オーナーにとって大事なのは、今回の影響が小規模木造の賃貸住宅で出やすいことです。ただし、木造アパート全般が一律に同じ扱いになるわけではありません。用途、延べ面積、所在地の区域によって確認申請の扱いが変わるため、個別計画ごとの確認が前提になります。
影響が大きいケース
小規模木造の賃貸住宅で、主要構造部に広く触れる大規模修繕・模様替を行うケースです。用途や規模によっては確認申請の要否確認が早い段階で必要になります。
影響が小さいケース
壁紙交換、設備交換、水回りのみの更新など、主要構造部の過半に触れない通常の内装リフォームです。
賃貸リフォームで確認申請が必要になるケース
判断の軸は「工事の大きさ」ではなく、主要構造部の一種以上で過半に達するかどうかです。
確認申請の要否を判断するときは、「工事がなんとなく大がかりか」ではなく、建築基準法上の大規模修繕・大規模模様替に当たるかで見る必要があります。e-Govの建築基準法では、大規模の修繕・大規模の模様替は、建築物の主要構造部の一種以上について行う過半の修繕・模様替と定義されています。条文はe-Gov法令検索の建築基準法で確認できます。
主要構造部には、壁、柱、床、はり、屋根、階段が含まれます。国土交通省の周知資料では、過半の判断は主要構造部ごとに行うと整理されています。つまり、「建物全体の半分を触るか」ではなく、「壁なら壁、床なら床という単位で過半かどうか」を見るイメージです。
💡 「過半」の考え方は、部屋ごとの改修ではなく“部位ごとの割合”で見るイメージです
たとえば建物を一冊の本だとすると、「どのページを触ったか」ではなく「表紙、背表紙、本文といったパーツごとに、どこをどれだけ差し替えたか」を見るイメージです。間取り変更で部屋数が多く変わっても、主要構造部に広く触れていなければ直ちに申請対象とは限りません。逆に、見た目は内装更新に見えても、床や壁、階段などの主要構造部に過半で手を入れるなら、確認申請が必要になる可能性があります。
特に注意したいのは、以下のような工事です。
- スケルトンリフォームで床・壁・階段などに大きく手を入れる工事
- 間取り変更に伴って、耐力壁や主要な床組を広く改修する工事
- 老朽化対策として、主要構造部を過半で更新する工事
具体例ベースの要否判断は、国土交通省の「木造戸建の大規模なリフォームに関する建築確認手続について」が参考になります。この資料では、2025年4月以降に着工する2階建て木造戸建等の大規模なリフォームは建築確認手続の対象となり、水回りのみの工事や手すり・スロープの設置は従来どおり不要と整理されています。
通常の内装リフォームはどこまで影響が小さいか
壁紙や設備交換だけなら、今回の改正の中心ではありません。
多くのオーナーが気にするのは、「壁紙の張り替えや設備交換まで影響するのか」という点でしょう。ここは過度に心配しなくて大丈夫です。国土交通省の資料では、キッチン・トイレ・浴室などの水回りのみのリフォームや、手すり・スロープの設置工事は、従来どおり建築確認手続が不要とされています。
そのため、次のような工事は今回の改正の中心ではありません。
- 壁紙や床材の張り替え
- キッチン、トイレ、浴室などの設備交換
- 建具交換や軽微な内装更新
- バリアフリーのための手すり設置
⚠️ 申請不要でも「法適合」は別問題です
建築確認手続が不要な場合でも、リフォーム後の建築物は建築基準法の規定に適合している必要があります。確認申請が不要だから、どんな改修でも自由にできるという意味ではありません。
注意したいのは、見た目では「内装工事」に見えても、実際には主要構造部に広く触れているケースです。たとえば、床を大きく解体して組み直す、階段を全面的に改修する、耐力壁を大幅に変更する、といった内容は要注意です。工事名称ではなく、どの部位にどれだけ手を入れるのかで判断するのが基本になります。
木造アパートと賃貸マンションで影響はどう違うか
直撃しやすいのは小規模木造ですが、非木造は別の法適合論点が重要です。
今回の改正を賃貸物件全体の話として読むと、少し誤解が生まれます。実務上の影響が出やすいのは、従来4号建築物の枠組みで扱われていた木造系の小規模賃貸です。特に2階建て木造アパートで、再生を前提にスケルトン寄りの改修を考えている場合は、確認申請の要否を早めに確認しておく必要があります。
一方、RC造やS造の賃貸マンションでは、「4号特例縮小で急に影響が出る」という単純な話ではありません。非木造はもともと法適合や確認申請の論点が重くなりやすく、用途変更、防火避難、既存不適格、増改築の扱いなど、別の論点も合わせて見なければならないからです。
物件種別ごとに確認したいポイント
- 木造アパート:主要構造部の過半に触れるか、確認申請が必要か
- RC・S造マンション:4号特例よりも、既存不適格や防火避難規定との整合性
- どちらも共通:図面の有無、過去改修履歴、行政窓口での扱い
また、大規模修繕・大規模模様替や増改築を伴うと、既存不適格の整理が必要になる場合があります。ここは建物ごとの差が大きいため、一般論だけで決めず、設計段階で確認するのが安全です。
工期・コストには何が上乗せされるのか
全国一律の増分目安はなく、申請対応の有無で差が出やすいテーマです。
オーナー視点では、制度変更そのもの以上に「結局、工期と費用はどれだけ増えるのか」が気になるはずです。ただし、この点は全国一律の増分データを断定的に示しにくいテーマです。公的機関が「必ず何日延びる」「何万円増える」といった統一目安を示しているわけではありません。
それでも、申請対象になる案件で負担が増えやすいポイントは整理できます。
コストが増えやすい要素
設計・図書作成、確認申請手数料、行政や確認検査機関への対応、指摘修正、完了検査対応などが追加されやすくなります。
工期が延びやすい要素
着工前の図面整理、申請準備、審査中の差し戻し対応、是正項目の調整など、着工前工程で時間がかかりやすくなります。
とくに既存図面が不足している物件では、現況調査や図面起こしから始まることがあり、ここでスケジュールが延びるケースがあります。図面がそろっていて、改修範囲も明確な案件なら、影響を比較的読みやすくなる場合もあります。
見積もりを取るときは、単に総額だけで比較するのではなく、次の点を分けて確認するのが大切です。
- 設計費がどこまで含まれているか
- 確認申請費や完了検査対応費が別建てかどうか
- 行政・確認検査機関からの指摘で追加費用が出た場合の扱い
- 着工予定日が「申請完了後」なのか「申請準備開始時点」なのか
改正後に業者を選ぶときの確認ポイント
見積もり前に、申請の要否と追加費用の扱いを言語化できるかが重要です。
法改正後の賃貸リフォームでは、「工事ができるか」だけでなく、「確認申請の要否をどのように判断しているか」を説明できる業者かどうかが重要です。単に「たぶん不要です」と言うだけでなく、主要構造部や過半の観点から説明できるかを見ておくと、あとで認識違いが起きにくくなります。
業者選びでは、次の質問をそのまま使うと確認しやすくなります。
- 今回の工事は、主要構造部の過半に触れる可能性がありますか
- 確認申請が必要な場合、設計・申請・完了検査まで対応可能ですか
- 既存図面が不足している場合、現況調査や図面作成はどう進めますか
- 工期のどの部分が法手続きで延びる可能性がありますか
契約面の確認も重要です。支払い条件や追加費用の扱いが曖昧だと、法手続きが入ったときにトラブルになりやすくなります。関連する注意点は、内部リンク先のリフォーム契約時の支払いリスクも確認するも参考になります。
制度改正の全体像は国土交通省の「令和4年改正 建築基準法について」で確認できます。実務寄りの説明資料は国土交通省の説明会資料も参考になります。
よくある質問(FAQ)
壁紙の張り替えだけでも4号特例縮小の影響はありますか?
原則として影響は小さいです。壁紙の張り替えのように、主要構造部の過半に触れない通常の内装更新は、今回の改正の中心ではありません。
ユニットバスやトイレの交換だけで確認申請は必要ですか?
水回りのみの更新は、国土交通省資料でも原則として従来どおり確認申請不要の例として示されています。ただし、設備交換に伴って主要構造部に広く手を入れる場合は別途確認が必要です。
間取り変更をするなら必ず確認申請が必要ですか?
必ずではありません。非構造壁の変更が中心なら不要な場合もありますが、床・壁・階段など主要構造部に広く触れると、確認申請が必要になる可能性があります。
木造アパートとRCマンションではどちらが影響を受けますか?
今回の4号特例縮小の影響を受けやすいのは、小規模木造の賃貸住宅です。RCマンションは4号特例の影響というより、もともとの確認申請や法適合の論点を丁寧に確認する必要があります。
工期や費用はどのくらい増えますか?
全国一律の目安を断定するのは難しいです。申請の有無、既存図面の整備状況、指摘修正の有無によって変わるため、見積もり段階で設計費、申請費、検査対応費、追加費用の条件を確認してください。
まとめ:4号特例縮小と賃貸リフォーム
この記事では、4号特例縮小が賃貸リフォームに与える影響について解説しました。
- 影響の中心は木造系の小規模建築物の大規模改修
2025年4月以降は、主要構造部の一種以上について過半を改修する大規模修繕・模様替で確認申請が必要になる可能性があります。用途や規模、所在地の条件で扱いが変わるため、個別確認が前提です。
- 通常の内装リフォームは原則として影響が小さい
壁紙交換や設備更新、水回りのみの工事は、今回の改正の中心ではありません。ただし、申請不要であっても建築基準法への適合は必要なので、工事内容の確認は欠かせません。
- 工期・費用は「申請の有無」と「図面状況」で差が出やすい
設計・申請・検査対応が増えると、着工前の調整期間や費用が上振れしやすくなります。見積もりでは、設計費、申請費、検査対応費、追加費用の条件を分けて確認するのが安心です。
賃貸リフォームの計画では、「大がかりに見えるかどうか」よりも、「主要構造部の過半に触れるかどうか」で考えると判断しやすくなります。
個別案件では、所管行政庁や建築士に確認しながら、余裕のあるスケジュールで進めていきましょう。

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