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賃貸の和室は洋室化すべき?残す基準と費用対効果
- 公開日:2026/3/23
- 最終更新日:
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賃貸の和室は洋室化すべき?残す基準と費用対効果
賃貸の和室を見るたびに、「全部なくしたほうが決まりやすいのでは」と感じるオーナーは少なくありません。とはいえ、和室は一律で全廃すべきとは限らず、物件の立地、間取り、募集ターゲットによっては一室残しのほうが投資効率がよいケースもあります。
- 賃貸の和室が本当に空室要因になりやすいのかがわかる
- 全部洋室化、一室残し、表層刷新のみの3択を比較できる
- 押入れをクローゼットに変えるべきか、費用が膨らみやすいポイントまで整理できる
こんな方におすすめの記事です
- 築古アパート・マンションの和室をどう扱うべきか迷っている
- 退去後に原状回復だけでよいのか、洋室化まで踏み込むべきか判断したい
- 空室対策として、家賃アップよりも投資効率を重視して考えたい
本記事では、賃貸の和室を洋室化すべきか、一部残すべきかを、費用相場、ターゲット別の考え方、押入れの扱いまで含めてわかりやすく解説します。(専門知識は不要です!)
注:費用相場は工事範囲、建物条件、地域差で大きく変わります。本記事では概算の考え方を示し、家賃アップや入居率改善を断定するものではありません。
賃貸の和室は一律で全廃しなくてよい
結論からいうと、和室対応は「全部洋室化」か「そのまま維持」かの二択ではありません。実際には、全部洋室化、一室残し、表層刷新のみの3択で考えるほうが、費用対効果を判断しやすくなります。
賃貸の住まい探しでは、LIFULL HOME’Sの住まい探し条件ランキング(首都圏編)でフローリングが順位を上げています。さらに、2025年の「住まい探しの絶対条件」でも、設備条件を細かく見比べる傾向が続いています。一方で、住環境研究所の調査では、和室のない住まいが増えるなかでも、小規模な畳コーナーは一定数残っています。つまり、和室は「全部なくすのが常に正解」というより、どう古く見えるか、どう使えるかで評価が分かれやすいということです。
全部洋室化
全室和室の物件、LDKとつながる和室が古く見える物件、若い単身・DINKs(共働きで子どものいない夫婦)向け物件で選びやすい方法です。費用は最もかかりますが、印象改善の幅は大きめです。
一室残し
独立した和室が1室だけある物件や、ファミリー・高齢者寄りの需要を見込む物件で選びやすい方法です。用途が想像しやすければ、和室が弱点にならない場合があります。
表層刷新のみ
畳交換、クロス更新、建具の見た目改善などで印象を整える方法です。低予算で着手しやすく、空室原因が「和室の存在」より「古さ」にある場合に向いています。
判断の出発点は、「和室があること」そのものではなく、募集写真でどこが古く見えるのか、その部屋を誰がどう使うのかです。この視点を外すと、費用をかけて全部洋室化しても、肝心の空室理由が別の部分に残ることがあります。
全部洋室化の優先度が上がりやすい物件
全部洋室化の優先度が高くなりやすいのは、全室和室の物件、LDK横の和室が募集写真で強く目立つ物件、押入れや襖の古さが部屋全体の印象を下げている物件です。特に単身向けや若い夫婦向けでは、家具配置のしやすさや収納の見え方が重視されやすいため、和室が残ることで選ばれにくくなる場合があります。
一室残しや表層刷新で十分な物件
一方で、独立した和室が1室だけある場合や、2LDK・3DKなどで寝室、子ども部屋、客間として用途を想像しやすい場合は、一室残しのほうが合理的です。畳交換やクロス更新、建具の調整だけで募集印象が整うこともあります。
和室が空室要因になるのは「存在」より「古さの出方」
和室があるだけで空室になる、とまでは言い切れません。実際の募集では、和室の有無よりも、和室が物件全体をどれだけ古く見せるか、入居後の使い方が想像しやすいかのほうが影響しやすいからです。
フローリング志向は強いが、畳需要が消えたわけではない
住まい探しでフローリングが好まれやすい傾向はありますが、畳スペースの需要がゼロになったわけではありません。住環境研究所の調査でも、若年層ほど小規模な畳コーナーを受け入れる傾向が見られます。賃貸でも、和室が「古い部屋」ではなく「使い分けできる部屋」に見えれば、必ずしもマイナスにならないことがあります。
不利になりやすいのは全室和室、LDK横和室、古い建具・押入れ
入居検討者が避けやすいのは、和室そのものよりも、物件全体に古さが出るパターンです。たとえば、全室和室でフローリングの部屋が一つもない、LDKの隣に襖付きの和室があり生活空間が昭和っぽく見える、押入れや木枠の傷みが目立つ、といった状態です。
逆にいえば、同じ和室でも、壁紙や建具の色味が整い、用途が伝わる写真が撮れていれば、評価は変わります。空室対策を考える際は、和室をなくすかどうかの前に、「どこが古く見えているのか」を分解して見ることが重要です。
和室を残しても決まりやすい部屋の特徴
和室を残しても決まりやすいのは、用途が想像しやすい部屋です。たとえば、リビングから独立した寝室として使える、子どもの遊び場や昼寝スペースとして使える、来客時に布団を敷ける、といった使い道が明確な場合です。ファミリーや高齢者寄りの需要を見込む物件では、こうした実用性が評価されることがあります。
和室から洋室化するときの費用はどこで膨らみやすいか
オーナーが最も迷いやすいのが費用です。ただし、和室の洋室化は「畳をフローリングに替えれば終わり」ではありません。下地、建具、収納、追加工事まで含めて考えないと、見積もりは想定より膨らみやすくなります。
⚠️ 費用が上がりやすいのは床だけではありません
和室の洋室化は、畳撤去後の高さ調整、壁や天井の下地補修、襖や敷居の交換、押入れの内部造作などが加わると金額が大きく変わります。特にマンションでは、床材の遮音条件や管理規約の確認も必要です。
床・壁・天井の下地調整で差がつく
畳からフローリングに変更するときは、床材そのものよりも、下地の高さ調整や補修で差が出やすくなります。壁や天井をクロス仕上げに変える場合も、下地の状態によって工事範囲が広がることがあります。
建具交換と押入れの扱いが予算を左右する
襖を引き戸や洋風建具に替える、敷居を調整する、押入れをクローゼット化する、といった部分は、見た目の印象を大きく変える一方で費用も動きやすい項目です。SUUMOのリフォーム費用の目安では、6畳和室の洋室化はおおむね40万円台〜120万円前後、和室の内装刷新のみは30万円前後が一つの目安として紹介されています。押入れ改修は幅が広く、Owners CBでは8万円〜20万円程度、LIXILリフォームショップでは簡易リフォーム2万〜3万円、本格的なクローゼット化5万〜25万円、ウォークインクローゼット化20万〜55万円が目安として紹介されています。さらに、近鉄不動産の解説でも、内部のみの簡易改修と建具まで替える改修では費用が変わると整理されています。
この差は、扉を替えるのか、中の棚やハンガーパイプまで作り直すのか、天袋の処理が必要かなど、工事の範囲が異なるためです。相場だけでなく、どこまで変える見積もりなのかを必ず確認してください。
概算で見る3つの費用感
| 工事の考え方 | 費用感の目安 | 向いているケース |
|---|---|---|
| 表層刷新のみ | 数万円台〜30万円前後 | 空室理由が古さ中心で、間取り自体は大きく変えなくてよい場合 |
| 和室1室を洋室化 | 40万円台〜120万円前後 | LDK横和室が強く古く見える、または主力ターゲットが洋室志向の場合 |
| 押入れをクローゼット化 | 簡易改修なら数万円台、本格改修は10万円台〜50万円前後 | 収納の見え方が決定率に影響しやすい物件 |
金額はあくまで概算です。最新価格は施工範囲や建物条件で変わるため、個別見積もりで確認してください。
全部洋室化・一室残し・表層刷新のみを3択で比較する
ここからは、実際の投資判断に落とし込みます。和室対応を考えるときは、ターゲット、和室の位置、空室原因の3つを順番に確認すると、判断がぶれにくくなります。なお、内装全体の優先順位もあわせて整理したい場合は、賃貸物件の内装リフォーム全体像も参考になります。
3択比較表
| 選択肢 | 向いている物件 | 期待しやすい効果 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 全部洋室化 | 全室和室、LDK横和室が主役になる物件、若年層メイン | 募集写真の印象改善、家具配置イメージの明確化 | 費用が重く、空室理由が別にあると回収しづらい |
| 一室残し | 独立和室あり、2LDK以上、ファミリー・高齢者寄り | 用途の幅を残しつつ、改修費を抑えやすい | 残す部屋が古く見えると逆効果になりやすい |
| 表層刷新のみ | 畳や建具の傷みが中心で、間取り自体は問題が小さい物件 | 低予算で印象改善しやすい | LDK隣接和室など、構造的に古く見えるケースには限界がある |
目先の判断としては、LDK横の和室は洋室化の優先度が上がりやすく、独立した和室1室は残す選択がしやすい、という整理が実務では使いやすいです。また、和室を全部変える前に、低コストで印象を変えるアクセントクロスのような表層改善で反応を見る方法もあります。
投資回収は家賃アップより空室短縮で見る
和室を洋室化すると家賃が必ず上がる、とは言えません。築年数、立地、設備、競合物件の水準など、家賃に影響する要素は多いためです。そのため、投資回収は「家賃がいくら上がるか」だけでなく、空室期間をどれだけ短縮できそうかで考えるほうが現実的です。
たとえば、退去のたびに和室の古さで反応が鈍い物件なら、毎回の空室期間や広告調整コストを含めて見直す余地があります。反対に、和室があっても安定して決まる物件なら、無理に全部洋室化しないほうが投資効率はよい可能性があります。
ターゲット別に和室の扱いを変える
和室対応は、物件の立地や間取りだけでなく、誰に貸すかで変わります。全国的な世帯の参考傾向として、厚生労働省の2024年国民生活基礎調査では、単独世帯が全世帯の34.6%で最も多く、高齢者世帯は31.4%となっています。ただし、これは全国世帯の全体像です。賃貸需要を直接見る資料としては、国土交通省の令和6年度住宅市場動向調査があり、民間賃貸住宅入居世帯の構成も別枠で集計されています。全国統計は背景資料として捉えつつ、最終的には募集エリアと物件規模に合わせて判断することが重要です。
単身向けは家具配置しやすさと収納の見え方を重視
単身向けでは、ベッド、デスク、テレビ台などを置いた生活をイメージしやすいことが重要です。和室が主室だと、家具配置のイメージが湧きにくく、募集写真でも古く見えやすいため、洋室化の優先度は高くなりやすいです。押入れも、衣類収納として使う想定ならクローゼット化が有利に働く場合があります。
DINKs・若い夫婦向けはLDKとのつながりが重要
DINKs(共働きで子どものいない夫婦)や若い夫婦向けでは、LDKの印象が決定率に影響しやすくなります。そのため、LDK横の和室が部屋全体の古さを強調しているなら、そこを洋室化する意味は大きくなります。逆に、独立室で使い分けできるなら、一室だけ和室を残しても問題にならないケースがあります。
ファミリー・高齢者寄りは一室和室が機能することがある
ファミリーでは、子どもの遊び場、昼寝スペース、来客時の布団利用など、和室の使い道が比較的明確です。高齢者寄りの需要でも、床に近い生活に慣れている層や、布団を使う前提の暮らしでは、一室和室が評価される可能性があります。和室が残ること自体より、清潔感と使い勝手が保てているかが重要です。
押入れはクローゼットに変えるべき?工事前に確認したい実務ポイント
和室の判断で迷ったとき、意外に大きいのが収納の見え方です。ただし、押入れも必ずクローゼット化すればよいわけではありません。誰に貸したいかと、どの程度の改修で印象改善できるかを分けて考える必要があります。
押入れは必ずクローゼット化すべきではない
単身・DINKs向けで衣類収納を前面に出したいなら、クローゼット化は有効な選択肢です。一方、ファミリーや高齢者寄りで布団、季節物、大きな荷物をしまう前提なら、押入れの奥行きがメリットになることもあります。見直すべきなのは「押入れかクローゼットか」だけでなく、襖や枠の古さ、内部の使いにくさです。
原状回復とバリューアップは分けて考える
退去後に工事を考えるときは、原状回復とバリューアップを分けることが大切です。国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」では、通常損耗や経年変化は原則として借主負担ではなく、補修は最低限度の施工単位で考えるのが基本とされています。つまり、退去修繕の延長で全部洋室化するのではなく、投資として本当に必要かを別途判断するべきです。
見積もりで確認したいポイント
見積もりでは、次の点を細かく確認してください。床は高さ調整まで含むのか、壁・天井の下地補修はどこまでか、襖や敷居は交換するのか、押入れ内部の棚やハンガーパイプは含まれるのか、諸経費や追加工事の条件はどうなっているのか、という点です。特に集合住宅では、床材の遮音条件や管理規約も事前確認が必要です。
退去後の優先順位づけを整理したい場合は、春の空室対策リフォーム5選もあわせて確認すると、和室以外の改善点も洗い出しやすくなります。
よくある質問(FAQ)
6畳1室だけ洋室化しても意味はありますか?
あります。特にLDK横の和室や、募集写真で古く見える主室だけでも印象が変わる場合があります。ただし、物件全体の古さが強い場合は、部分改修だけでは十分でないこともあります。
和室が1室あるだけで家賃は下がりますか?
一律には言えません。家賃は立地、築年数、広さ、設備、競合物件との比較で決まるためです。和室単体よりも、全室和室、LDK横和室、古い建具や押入れの見え方が影響しやすいと考えたほうが実態に近いです。
押入れはクローゼットにしたほうが決まりやすいですか?
単身・DINKs向けでは有利になりやすい一方、ファミリーや布団利用を想定する物件では押入れのままでも合理性があります。収納形式そのものより、見た目の古さと使い勝手をどう改善するかが重要です。
畳だけ替えて募集し直すのはありですか?
ありです。空室原因が和室の存在そのものではなく、畳の傷みや建具の古さにある場合は、畳交換、クロス更新、建具の見た目改善だけで十分なことがあります。まずは空室理由の切り分けが先です。
まとめ:賃貸の和室は洋室化すべき?残す基準と費用対効果
この記事では、賃貸の和室をどう扱うべきかを、全部洋室化・一室残し・表層刷新の3択で整理しました。
- 和室は一律で全廃しなくてよい:和室があること自体より、どこが古く見えるか、誰に貸すかのほうが判断材料として重要です。
LDK横の和室や全室和室は洋室化の優先度が上がりやすく、独立した和室1室なら残す判断もしやすくなります。
- 費用は床以外で膨らみやすい:下地調整、建具交換、押入れの扱い、追加工事の条件で金額は大きく変わります。
見積もりでは、どこまで含まれるかを細かく確認することが大切です。
- 投資判断は家賃アップ断定ではなく空室短縮で見る:洋室化が必ず家賃上昇につながるとは限りません。
反応の鈍さが和室由来なのか、設備や募集条件の問題なのかを分けて考えると、無駄な工事を避けやすくなります。
迷ったときは、まず「募集ターゲット」「和室の位置」「空室理由」の3つを整理してください。そのうえで、全部洋室化が必要なのか、一室残しで十分なのか、あるいは表層刷新だけで足りるのかを見極めるのが、賃貸オーナーとしての冷静な判断につながります。
和室だけを問題視するのではなく、物件全体の印象と優先順位を見ながら手を入れることが、結果として費用対効果の高い空室対策になりやすいでしょう。

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