賃貸断熱リフォーム完全ガイド|内窓費用・省エネラベル・補助金
- 公開日:2026/3/9
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賃貸マンション・アパートでも、見た目のきれいさだけでは選ばれにくくなっています。最近は、入居後の暑さ・寒さや光熱費まで比較されやすくなっており、断熱リフォームを検討するオーナーも増えています。
- 賃貸物件で断熱リフォームを検討するべき理由がわかる
- 内窓・二重サッシ・断熱材充填の費用相場と進め方がわかる
- 先進的窓リノベ2026や省エネ性能ラベルのポイントがわかる
こんな方におすすめの記事です
- 築古アパート・賃貸マンションの競争力を高めたい方
- 内窓や二重サッシの費用対効果を知りたい方
- 補助金を活用しながら省エネ改修を進めたい方
本記事では、賃貸の断熱リフォームについて、窓の二重サッシ化・内窓設置・断熱材充填の考え方、費用相場、省エネ効果、省エネ性能ラベル、活用できる補助金をわかりやすく解説します。
注:補助金制度や対象製品、申請条件は年度途中で更新されることがあります。実際に工事を進める際は、必ず公式サイトと見積もり時点の条件をご確認ください。
賃貸物件で断熱リフォームが必要な理由
賃貸物件の断熱改修は、2026年以降の募集競争で無視しにくい改善項目になりつつあります。
2026年以降の賃貸経営では、断熱性を後回しにしにくくなっています。理由は、入居者が「家賃」だけでなく「毎月の光熱費」や「住み心地」まで含めて物件を比較しやすくなっているためです。
国土交通省の建築物の販売・賃貸時の省エネ性能表示制度では、2024年4月から新築建築物の販売・賃貸広告で省エネ性能ラベルの表示が必要になりました。既存建築物は表示が推奨ですが、賃貸市場でも省エネ性能を見せる流れは確実に強まっています。
実際に、LIFULL HOME’Sは2024年3月28日から省エネ性能ラベル表示を順次開始し、アットホームも2024年3月27日から省エネ性能ラベル表示を開始しています。募集画面で比較される時代に入った、と考えたほうが自然です。
これまで重視されやすかった点
家賃、駅距離、築年数、設備の新しさなど、見た目で伝わりやすい条件が中心でした。
これから重視されやすい点
上記に加えて、暑さ・寒さ、結露、騒音、目安光熱費など、暮らし始めてからの快適性も比較対象になりやすくなっています。
断熱改修で最初に窓が優先されやすい理由
窓は外気の影響を受けやすいため、断熱改修のなかでも優先順位が上がりやすい部位です。
断熱リフォームのなかでも、まず窓が優先されやすいのには理由があります。開口部からの熱の出入りについては、日本建材・住宅設備産業協会のQ&Aでも、冬の暖房時は58%、夏の冷房時(昼)は73%と案内されています。外気の影響を受けやすい窓を改善すると、冷暖房効率の改善に影響しやすいのです。
壁や天井の断熱補強も有効ですが、賃貸物件では工事規模が大きくなりやすく、入居中施工との相性もあまりよくありません。その点、内窓設置は比較的着手しやすく、補助金の対象にもなりやすいのが強みです。
築古アパート・マンションでも検討価値が高いケース
結露や寒暖差への不満が出やすい物件では、築年数にかかわらず窓改修の優先度が上がります。
次のような物件は、窓の断熱改修の優先度が高くなりやすいです。
- 冬の結露が多く、カビやクロス傷みが起きやすい
- 幹線道路や線路沿いで、外の音が気になりやすい
- 北側住戸や角部屋、最上階で寒暖差が出やすい
- 退去理由として「寒い」「暑い」「結露がつらい」が出やすい
こうした不満は、家賃表や設備一覧だけでは見えません。しかし、入居後の満足度には大きく影響します。断熱リフォームは、家賃をただ上げるためというより、競合物件と比較されたときに選ばれやすくする投資として考えると判断しやすくなります。
賃貸の断熱リフォーム費用相場|内窓・二重サッシ・断熱材充填を比較
費用は工法と窓の条件で大きく変わるため、まずは内窓を基準に相場感をつかむのが現実的です。
費用相場は、窓サイズ、製品グレード、既存サッシの状態、施工戸数、地域によって変わります。ここでは、相場感をつかむための目安を整理します。
⚠️ 費用は「補助金適用前」と「実質負担」を分けて考える
同じ内窓工事でも、対象製品かどうか、補助額がどのグレードかで実質負担は変わります。見積もりでは、本体価格だけでなく「補助対象可否」と「補助後の想定負担額」を分けて確認してください。
内窓設置・二重サッシ化の費用目安
賃貸物件では、まず内窓設置の費用感を押さえると判断しやすくなります。
賃貸物件で最も現実的に検討しやすいのは、既存窓の内側にもう1枚窓を設ける内窓設置です。一般的には「二重サッシ」と呼ばれることもありますが、厳密には工法や言い方が混ざるため、この記事では「内窓設置」で統一します。
費用は1窓あたり数万円台から十数万円台が目安です。小窓なら比較的抑えやすく、掃き出し窓のような大きな窓は高くなりやすい傾向があります。複数戸をまとめて施工する場合は、現場条件によって単価が調整されることもあります。
外窓交換や断熱材充填はどんな物件で検討するか
外窓交換や断熱材充填は、空室時や大規模修繕のタイミングで検討しやすい工法です。
外窓交換は、内窓より工事規模が大きくなる一方で、窓まわりを根本的に更新しやすい方法です。サッシ自体の劣化が進んでいる物件や、大規模修繕とあわせて性能を上げたい物件で検討しやすいでしょう。
断熱材充填は、壁や天井の解体を伴うことが多く、入居中の住戸ではハードルが上がります。空室リノベーションや原状回復の大型工事と同時に行うほうが現実的です。
なお、外窓交換は工法や既存枠の状態によって工期や費用が変わります。マンションでは窓まわりが共用部扱いになることもあるため、管理規約や工事範囲を事前に確認しておくと安心です。
内窓設置に向くケース
まずは費用対効果を見たい、入居中でも比較的進めやすい、補助金を活用したい、結露や騒音も改善したい場合に向きます。
外窓交換・断熱材充填に向くケース
老朽化が進んでいる、大規模修繕の予定がある、空室全面改修を行うなど、工事範囲を広く取りやすい場合に向きます。
「全部やる」より費用対効果が高い進め方
すべてを一度に改修するより、窓から段階的に進めるほうが判断しやすいケースが多いです。
断熱リフォームは、最初から全面改修を目指す必要はありません。多くの賃貸物件では、外気の影響が大きい窓から始め、その後に住戸ごとの不満や修繕計画に合わせて範囲を広げるほうが現実的です。
- 結露や寒暖差の不満が強い住戸を把握する
- まずは内窓設置など窓改修の見積もりを取る
- 補助対象可否と実質負担を確認する
- 必要に応じて外窓交換や断熱材充填を追加検討する
断熱リフォームで入居者にどんなメリットがある?
入居者メリットが見えると、断熱改修は募集時にも説明しやすくなります。
オーナー側から見ると断熱改修は工事費が気になりますが、入居者側のメリットが明確でないと募集上の訴求につながりません。ここでは、実際に伝えやすいメリットを整理します。
光熱費はどのくらい下がるのか
光熱費の下がり方には個人差がありますが、窓条件が厳しい住戸ほど体感しやすい傾向があります。
断熱リフォームで光熱費がどの程度下がるかは、住戸の向き、面積、地域、既存サッシの性能、入居者の冷暖房使用状況によって大きく変わります。そのため、「必ず何円下がる」と断定するのは適切ではありません。
ただし、窓の熱の出入りが大きいことを踏まえると、冷暖房の効きが改善しやすいケースは多くあります。特に、単板ガラスの古い窓、結露が多い住戸、夏の西日や冬の冷気の影響を受けやすい住戸では、体感差が出やすい傾向があります。
結露・カビ・寒暖差のストレスを減らしやすい
窓の断熱性を高めると、結露や窓際の寒さを抑えやすくなります。
窓の断熱性が低いと、冬場は室内側の窓面が冷えやすく、結露の原因になります。結露は見た目の不快感だけでなく、カビ、クロスの傷み、掃除負担にもつながります。内窓設置は、こうした不満の緩和が期待しやすい改修です。
暖房を入れても窓際だけ寒い、夏にエアコンが効きにくいといった不満が減ると、住み心地の満足度が上がりやすくなります。退去抑制を考えるうえでも見逃せません。
遮音性の向上は募集で伝えやすい副次効果
断熱改修は、立地によっては遮音面のメリットも伝えやすい工事です。
内窓は断熱だけでなく、外部騒音の低減にもつながる場合があります。もちろん建物全体の構造や隙間条件にも左右されますが、道路沿い・線路沿い・学校近くなどでは、遮音性の向上が募集時の説明に使いやすい副次効果になります。
入居者に伝えやすいメリット
- 冷暖房が効きやすくなり、光熱費の無駄を抑えやすい
- 結露やカビの発生を抑えやすい
- 外の音が気になりにくくなる場合がある
省エネ性能ラベルとは?賃貸募集にどう影響する?
省エネ性能ラベルは、物件の省エネ性を比較しやすくする表示制度です。
省エネ性能ラベルは、建物の省エネ性能を広告や物件情報上で伝えるための表示です。国土交通省の制度ページでは、消費者が建物の省エネ性能を把握・比較しやすくすることが目的とされています。
省エネ性能ラベルで表示される項目
住宅では、エネルギー消費性能、断熱性能、目安光熱費などが表示対象になります。
目安光熱費の考え方を含めた表示項目は、国土交通省のラベル項目解説で確認できます。既存住宅については、改修部位の表示や実績値表示などの考え方も整理されています。
不動産ポータルで見られるようになった情報
省エネ性能は、制度上だけでなくポータル上でも見られる情報になってきました。
省エネ性能の表示は制度だけでなく、実際の募集画面にも広がっています。LIFULL HOME’Sでは省エネ性能ラベルや関連項目の表示が始まり、アットホームでも物件詳細ページで「エネルギー消費性能」「断熱性能」「目安光熱費」の表示が可能になっています。
また、LIFULLの調査では、3年以内に引っ越しを検討している人の70.2%が物件の省エネ性能を意識しており、賃貸物件検討者では「電気・光熱費を安くしたい」が74.7%で最も多い理由でした。こうした傾向を見ると、省エネ情報を見せられること自体に意味があると考えられます。
⚠️ ラベルがあれば必ず決まるわけではありません
賃貸募集では、家賃、立地、築年数、間取り、設備との総合比較になります。省エネ性能ラベルは万能ではありませんが、比較材料が増える現在は「説明できる要素」として持っておく意義があります。
ラベルがあることで不利を避けやすくなる
省エネ情報を説明できる物件は、比較の場面で検討材料を増やしやすくなります。
アットホームの公表資料では、省エネ関連物件の掲載数は増加しており、賃貸居住用では2019年12月比で約12倍、問合せ率はそれ以外の物件比で約1.7倍とされています。媒体全体の条件差はあるものの、省エネ情報が比較時の関心を集めていることは無視しにくいでしょう。
賃貸の断熱リフォームに使える補助金
2026年の窓断熱では、まず先進的窓リノベ2026を確認するのが基本です。
2026年に窓断熱を検討するなら、補助金は必ず確認したいポイントです。特に窓改修では、先進的窓リノベ2026事業が中心になります。
先進的窓リノベ2026の対象工事と上限額
内窓設置・ガラス交換・外窓交換が主な対象で、上限額は1戸あたり100万円です。
先進的窓リノベ2026では、内窓設置、ガラス交換、外窓交換などが補助対象です。住宅は1戸あたり上限100万円で、1申請あたり合計補助額5万円以上の工事が対象とされています。対象要件の詳細は、公式の対象要件ページで最新条件をご確認ください。
また、住宅省エネ2026キャンペーン(リフォーム)では、リフォームは全世帯が対象と案内されています。賃貸オーナーが対象外だと思い込んで見逃すケースもあるため、ここは早めに確認しておくと安心です。
補助金申請で押さえたい注意点
補助金は登録事業者経由で進めるため、工事前の確認が欠かせません。
補助金は、オーナーが個人で直接申請するのではなく、登録事業者が申請を代行する仕組みです。対象工事の着手時期や対象製品、必要書類の条件もあるため、「工事後に申請できるだろう」と自己判断しないことが大切です。
制度は予算上限に達すると早めに締め切られる可能性があります。検討中の段階でも、まずは対象製品を扱う施工会社に確認しておくと流れがつかみやすくなります。
補助金込みで実質負担を考えるコツ
総額ではなく、補助後にいくら残るかで比較すると判断しやすくなります。
見積もり比較では、次の3点を確認しておくと判断しやすいでしょう。
- 製品ごとのグレードと補助額の差
- 本体・施工・諸経費の内訳が明確か
- 補助金適用後の想定負担額が示されているか
価格だけを見ると安く見えても、補助対象外の製品では実質負担が高くなることがあります。単純な総額比較ではなく、補助後の差で見るのがポイントです。
賃貸オーナーが断熱リフォームで失敗しにくくなる進め方
成功しやすい進め方は、住戸ごとの不満を整理して優先順位を決めることです。
断熱リフォームを成功させるには、「何を入れるか」より先に「どの住戸から、どの不満を解決するか」を整理することが大切です。
まずは退去理由と不満の多い住戸から優先順位を決める
最初の一歩は、寒さ・暑さ・結露の不満が集中する住戸の把握です。
全戸一斉に進める前に、寒さ・暑さ・結露の相談が多い住戸を洗い出します。北側住戸、角部屋、最上階、交通量の多い道路側などは優先候補になりやすいです。
入居中工事と空室時工事の考え方
内窓は入居中でも進めやすい一方、外窓交換や断熱材充填は空室時のほうが現実的です。
内窓設置は比較的短時間で終わりやすく、入居中でも実施しやすい工事です。ただし、騒音、作業時間、家具移動の有無などは事前説明が必要です。外窓交換や断熱材充填は工事の影響が大きくなりやすいため、空室時や大規模修繕時にあわせるほうが進めやすい場合があります。
マンションでは窓やサッシが共用部扱いになることもあります。分譲賃貸や管理規約がある物件では、工事前に管理組合や管理会社へ確認しておくとトラブルを避けやすくなります。
見積もり比較で確認したい3つのポイント
見積もりでは、価格だけでなく補助対象可否と工事範囲も確認することが重要です。
見積もりで確認したいポイント
- 補助対象製品かどうか
- 工事範囲と既存窓の補修範囲が明確か
- 実質負担額と工期の説明があるか
関連記事として、リフォーム関連記事もあわせて確認すると、判断材料を増やしやすくなります。契約や支払い条件が不安な場合は、工事代金の支払いリスクも事前に確認しておくと安心です。
よくある質問(FAQ)
内窓と二重サッシは同じですか?
厳密には言い方の違いが混ざりますが、一般には既存窓の内側にもう1つ窓を付ける内窓設置を指して使われることが多いです。この記事では誤解を避けるため、「内窓設置」で統一しています。
築古アパートでも補助金の対象になりますか?
対象になる可能性はあります。重要なのは築年数そのものより、対象工事か、対象製品か、登録事業者経由で進めるかです。実際の適用条件は、見積もり時点で公式情報をご確認ください。
断熱リフォームで家賃を上げられますか?
断熱改修だけで家賃アップを断定するのは難しいです。ただ、空室対策、競合物件との比較、退去抑制という観点ではプラスに働きやすく、募集時の説明材料にもなります。
壁や天井の断熱材充填までやるべきですか?
大規模修繕や空室全面改修のタイミングなら検討余地がありますが、初手としては窓改修のほうが費用対効果と補助金活用の面で進めやすいケースが多いです。
省エネ性能ラベルは必須ですか?
新築の販売・賃貸広告では2024年4月以降に表示が必要です。既存建築物は表示が推奨されています。賃貸募集で省エネ情報が見られやすくなっているため、既存物件でも無視しづらくなっています。
まとめ:賃貸の断熱リフォーム
この記事では、賃貸の断熱リフォームについて解説しました。
- まずは窓から考えるのが合理的窓は熱の出入りが大きく、内窓設置は費用対効果と補助金活用の面で進めやすい方法です。全面改修より先に、結露や寒暖差の不満が大きい住戸から始めると判断しやすくなります。
- 入居者メリットは光熱費だけではない断熱改修は、結露対策、快適性向上、遮音性の改善にもつながる場合があります。募集時には、光熱費だけでなく「住み心地」の改善として伝えるのが効果的です。
- 2026年は補助金と省エネ表示を前提に判断したい先進的窓リノベ2026や住宅省エネ2026キャンペーンを確認しながら、省エネ性能ラベル時代の競争力を意識することが重要です。価格だけではなく、補助対象可否と実質負担まで見て比較すると失敗しにくくなります。
賃貸物件の断熱リフォームは、すべての住戸を一気に変える工事ではなく、まず窓から始めて投資効果を見極めていく進め方が現実的です。
検討時は、公式制度の最新情報と見積もり条件を照らし合わせながら、物件ごとに優先順位を整理して進めてみてください。

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